離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
ありったけの想いを告げると、シエナがフッと表情を緩め、自分の想いを口にする。

「…… 私は何も持っていない……。 蓮斗さんと並ぶ地位も名誉も何もない」

 はぁーーーーーっ……、切なそうに見つめる瞳が潤んで色っぽい。

「そんなものは必要ない。 必要ならば俺は、自分の手で掴み取るからな」

 シエナがいれば、やる気が漲って、いつもの自分以上、に能力が溢れる出すから心配無用だ。

「仕事も辞めたくない。 私は蓮斗さんのやりたい事を応援する。 だけど、私も私のやりたい事を諦められない」

 ……シエナが生き生きと煌めく為だから、仕方ない、そこは妥協しよう。

 
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