離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます

　会場の中に入ると、我先と、取引先の企業や、ホテル関係者がお祝いの挨拶に、引っ切り無しに訪れる。

（あ、あの人、テレビにで出たリゾートホテルの社長？　あっちの人は光山観光の会長だ！　うわー、ほんとに凄い方達がお祝いに来てる…… 社長の人脈凄いな…… ）

　今まで、社長とは、仕事で絡む事は無かったから知らなかったが、英語、中国語、韓国語、フランス語、イタリア語、ロシア語、さまざまな国の要人や、企業の重役と難なく会話を交わす。

（ふぁーっ…… 凄い…… ！　一体、何カ国語話せるのかな？　）

　ポカーンっとして、社長を見つめる私は、きっと周りから見たら、アホの子ようだったと思う。

　頭脳明晰、冷静沈着と噂されるだけあって、難しい内容の会話が、途絶える事がない。

（…… 若くして社長に就任するだけあって、本当にやり手なんだ…… ちょっと、ちょっと、カッコイイんじゃないですか？！　）