離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
 
 パーティー開始の挨拶に、社長が壇上へ上がった。

「ご来賓の皆様、本日は私の受章祝賀会にご臨席をたまわりまして誠にありがとうございます。
また、褒章に多大なご尽力を頂きました…… 」

 お礼を述べて、その後は軽く立食形式で食事を、となる筈だった。

「誠に簡単ではございますが、本日お越しくださった皆様のご健康とご多幸を記念し、私からのお礼のご挨拶といたします。 そして、ここで私事では御座いますが、皆様にお知らせが、御座います」

 社長が、私に向かっておいでと、手を差し伸べた。

 「え? 」

 訳がわからず、戸惑っていると、マリーが私の手を引いて、社長の手の上に乗せた。

「マ、マリー?! 」

「Good luck.」

 マリーと男の子が 、サムズアップのサインをしてニマニマしている。

 (え? 二人とも、何そのその顔?! )


 
< 37 / 205 >

この作品をシェア

pagetop