離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます

　ザワザワと、皆んなが騒ぎ始める。

「どこの御令嬢？　なんだか垢抜けないわね」

「イヤー、私の蓮斗様に！！　」

　

　社長は、気にせず、私を引き寄せると、腰に手を回した。

　「へ？　」

　ビクッと驚いた私を逃すまいと、更にガッチリと腰を抱く。


「私、剣菱蓮斗は、隣にいる、中園シエナさんをパートナーとして、共に歩んで行きたいと思っています」

　社長の言葉に、これでもかと、瞳を大きく、大きく見開き、私の頭の中はフリーズした。

（…… 今、何と…… ？？　）


「おおー！　それは目出たい！　併せてお祝いしようではないか！！　」

　パチパチパチパチ……ッ！！

「おめでとうございます！　」

「やっぱりね、そうじゃ無いかと思ってたのよ。　社長のポケットチーフと彼女のワンピースの色、お揃いですものね」

「イヤァァーーーッ！　そんな蓮斗様ーーーッ！！　」