離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
「おめでとうございます!! 」

 パチパチパチパチーーーッっと、区役所の人に拍手され、呆気なく、入籍は終わった。


「ほえーっ…… 、私、本当に結婚したんだ…… 」


「結婚式はちゃんと挙げたいからな、時間をかけて、二人で決めて行こう。 指輪は二人の休みがあった日に、デートで探すか」


(意外…… 、ここまで、強引だったから、全部自分で決めちゃうのかと思ったら、ちゃんと、私の意見を聞いてくれるんだ…… なんか、二人で一緒に幸せになる、って感じで嬉しいな…… )

 暖かい気持ちが、ジンワリッと、心の奥底から湧き上がる。

「何か、軽く食べて帰るか? それとも、ケータリングかテイクアウトにして、部屋でゆっくりするか? 色々あって今日は、疲れただろう? 」

「そうですね。 確かに、今日はジェットコースターの様な、スリリング? エキサイティング??な一日で、少し疲れましたので……。 帰りますか」

 軽く、手を振り挨拶をして、ではまた明日、と駅に向かう。

「どこへ行くつもりだ? 」

「え? 電車で家に帰るつもりですが? 」

 パシッと、手首を掴まれ、グイッと、蓮斗さんの胸の中に引き寄せられる。

「逃がさないって言っただろ? 」

 耳元に口を寄せ、艶なかな声で囁かれる。

「はわわっーーーっ、お、覚えてましたか…… 」




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