離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
 シャワーを浴びて、スッキリした私は、ちょっぴり不安になる。

(折角の良い雰囲気を、中断させちゃったけど、蓮斗さん、私に呆れちゃったかな…… でも、でも、汗臭いって思われたら、もう死ぬる…… 複雑な女心、わかってーーーっ! )

 キチンとたたまれ、用意されたバスローブを着ようとして、んーっ…… っと少し考える。

(…… 下着って、着けた方が良いのかな…… ? 勝負下着じゃないし、この後すぐに脱ぐんだから、着けなくても良いっか…… )

 
 着いたとたん、蓮斗さんに襲われ? て、ゆっくり部屋を見回す余裕のなかった私は、キョロキョロと辺りを見回しながら、彼の待つ部屋に向かう。

(…… ここって、タワーマンションだよね?! 入り口には、コンシェルジュもいたし、こんな所に住んでるなんて、本当に私とは住む世界が違うんだな…… )

 部屋のドアを開けると、バスローブに身を包み、ベッドの端に腰掛けている蓮斗さんがいた。

 私がシャワーを浴びている間に、ゲストルームで、蓮斗さんもシャワーを浴びて来た様だった。
 

 「お待たせしました、だ、旦那、さま? 」

 (キャーッ! 旦那様だって…… 恥ずかしいーーーっ!! )

 一人、照れて、頬に手を当て、火照った顔を隠す。

 蓮斗さんは、私の旦那様呼びに、片手で目を隠して上を向くと、小さく呟いた。

「…… クッ、…… っとに計算か?! 」



 
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