離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
蓮斗side3
 シエナと入籍して直ぐに、俺は単身、海外生活となった。

 本音を言えば、一緒に連れて来たかったが、火山噴火の警戒レベルが高い。

 現地調査で、家に帰れないことも多くなる。

 ダメだダメだ!

 こんな解放的な雰囲気の異国の地で、シエナ一人を置いておくなんて、現地に住んでいる、こんがりと日焼けした、逞しい男達に、誘惑されたらどうするんだ?! シエナは、他の男に見向きもしないと信じているが、万が一若い男に言い寄られたら、アラサーの俺は歳では敵わない。

 グッウウウウーーーッ…… もっと早く出逢いたかった……。

 顎のラインで切り揃えられた、艶やかな髪に、クリクリとした二重のつぶらな瞳。 そしてぽってりとし、赤く色づく唇。 

 絶対みんな、好きになるだろ?!

 日本に置いておいて、チーフとイチャイチャされるのも癪だが、シエナは仕事大好き人間だから、きっと仕事以外眼中にない。

 イキイキと仕事をこなしている彼女を見れないのは残念だが……。

 幸い今は大きなプロジェクトがあると言っていたからな。 

こっちにいるよりはまだマシだ…… よ、な?

 うむむむーーーっ……、考えただけで切なくなる。 

 シエナ不足だ…… 。


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