「今日、クリスマスってよ」

「ごめんな」


どきりとした。

まるで私の心の声を覗かれたみたいで。


恐る恐る顔をあげれば、そこには擦ったのか少しだけ赤くなった目をした瀬尾がいた。


……瀬尾が、泣いてる?

なんで?
なんで、泣いてるの?

"ごめんな"

さっきの瀬尾の言葉は、一体何に対するものだったの?


瀬尾は何も悪くないのに。

謝るのは私の方なのに。

きっと、私が瀬尾を傷つけてしまったんだ。


「なーに泣いてんの」

ふいに後ろから咎めるような声がかかる。


その声に、私は振り向くことはできなかった。

だって、多分後ろにいるのは。


「佑香」


……瀬尾の彼女だから。

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