「今日、クリスマスってよ」

だってあんなにも私のことを好きっていう目で、愛しいっていう目で見つめられて。
真っ直ぐに好きって言われて、我慢なんてできるわけない。


「私も好き」


ずっと言いたかった言葉。
ずっと伝えたかった言葉。

大事に大事に心の中にしまっていた。

決して漏れ出ないように、絶対気づかれないように。

日の目を見ることなんてもうないと思ってた。

きっとこのままずっと胸に秘めて、いつかなくなるその日まで耐えていくんだろうと。


……嬉しい。

瀬尾に伝えることができたことが。
瀬尾も同じ気持ちを持っててくれたことが。


ぎゅっと背中に回した腕に力が入る。

そうしないと、とめどなく溢れてくる感情が暴走しちゃいそうで。


瀬尾も抱きしめ返してくれて、大きな身体にすっぽりと包まれる。


ぎゅうっと強い力で腰を引かれたせいで、より一層身体が密着した。


触れたところから鼓動が伝わる。

ドクドクと激しく脈打つ心臓に、瀬尾もドキドキしてるのかな、してくれればいいな。

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