「今日、クリスマスってよ」
もうほんとに最悪!
私の気持ちも知らないで、こうやってからかって。
多分今のも、課題に飽きたが故のただの暇つぶし。
彼女でもないくせにその気になった私が悪いのは1番わかってる。
わかってる、けど。
……ほんと、最悪。
「はぁ」
ついたため息は、瀬尾の耳にも届いたみたいで。
「悪かったって。ごめん」
その言葉はふわふわとどこかへ飛んでいきそうなほど軽い。
「……」
「あれ、シカト?」
「……」
「おーい、聞こえてる?」
付き合ってられない。
というかこれ以上瀬尾のペースに乗せられたら、きっとそのうちボロが出る。
それだけは、なんとしても死守しないと。
一心不乱にわかるところだけ空欄を埋めて行く。
わからないところは先生のもとに聞きにおいでと言われているから、さっさと終わらせたい。
とにかく、早く瀬尾から離れたかった。