記憶のカケラを拾って
「…音」

…っ!

「久しぶりにそう呼ばれたね…っ…」

私は笑えていますか?

「音っ!」

ぎゅー。

ああ、この温もり…匂い…大好きな人。

「ごめ…ごめんね…いっぱい苦しい思いさせたね、ごめんね…」

「音、好きなんだ。俺は音じゃなきゃだめなんだよ。」

「愁、私も大好きだよ。ずっと。」

私は愁から離れ、梨奈の前に立った。
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