記憶のカケラを拾って
「お!未来!音ちゃんもいるじゃん!!」

えっなんで未来と一緒にいんの??
音、普通に笑ってる。
なんでだよ、悲しいはずだろ、泣きたいだろ。

だってきっと。
まだ俺のことが好きだから。

なのになんで笑えるんだよ…。

もっと俺を見て、後悔してくれたらいいのに。やっぱり俺が好きだって戻ってきて…。
俺は音が大好きだ。

こんなに音を待ってるのに…。

「なんか5人集合したし、ついでにどっか行く!?」

「いっいいね!行こうよ!!」
この女、どこまで無神経なんだ…。

「よし、じゃあ行くか!!」

「行こ、梨奈」

「うっ、うん」

音、すごいな。
普通、吉田に話しかけようと思わないはず。
これも全部音の優しさなんだよな。
誰にも気を遣わせないようにって。

だから俺は音が好きなんだ。
俺にないものをたくさんもってるから。
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