記憶のカケラを拾って
〈音side〉
「言ってみてよ、気になるから」

急に立ち止まったかと思えばこの言葉。
しかもすごく真剣な顔で…。

だから未来くんの目から顔を背けれなかった。
見つめ合ってどれくらいたったかな。
未来くん、目大きいなぁ。

その時、愁が重なって見えた。

はっ…!だめだめ!もう…。
終わったの…。

「なー、はやく。じゃなきゃキスすんぞ」

「ほぇ!?」

「ふっ…笑変な声笑あはは」

「なっ!もうバカにして!!」

「バカにしてねーし。ほら、はやく。俺はお前にとって何?」

何って言われても…。
考えたことなかったし…。

「わかんない、なんなんだろうね。」

「俺にとってのお前は…「未来!!」

「しずくだ。愁に梨奈ちゃんもいるじゃん」

「未来くん、続きは…」

「いやいい、また今度言うわ」

「なんか5人…」

愁と梨奈。2人とも暗い顔してる。
そりゃそうなんだけど。
私がそうさせちゃったから。

今はきっと愁が梨奈を拒絶してるんだと思う。でも大丈夫だよね、2人なら。
きっと幸せになってくれる。

笑わなきゃ、私が。

「よし、じゃあ行くか!!」

なんだか5人でどこかに行くみたい。
気まづいけど、向こうもそうだよね…。
私が頑張らなきゃ。

「行こ、梨奈」

「うっ、うん」

普通だったかな?
笑えてたよね?
声、震えてなかったかな。

< 43 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop