わたしのカレが愛するもの
ずっと温めて、温めすぎてドロドロになった妄想たちが身体中から溢れ出す。
きっと、わたしの顔は真っ赤になっているし、目は潤んでいる。
息は上がり、心臓は暴走の一歩手前。
言葉にしなくても、コウくんにはわかってしまう。
わたしの身も心も、ずっとコウくんが欲しいと訴えていること……。
「ステキなレストランで食事もしていないし、薔薇の花束もないけれど……」
コウくんは満足そうに笑い、どこからか虹色に輝く石のついた指輪を取り出した。