わたしのカレが愛するもの

コウくんがイケメンなのは、誰の目にもあきらかな事実。
本人も自分の容姿が女の人に好かれることはわかっている。

でも、照れ屋。

そんなところがわたしの胸をキュンとさせるし、イケメンの特権を生かしてプレイボーイになろうなんて思わずにいてくれるのは嬉しい。

が、「わたし限定で」、もうちょっと積極的になってくれてもいいのに、と思わなくもない。


(尽パパの血を引いてるから、草食男子ではないと思うんだけど……)


二人で旅行に出かけ、一緒にお泊まりしても同じベッドで眠ろうとしなかったのは、「他人と一つベッドで寝ると熟睡できない」からではなくて、「理性が危うい」から。

出入り自由を言い渡されていた立見家。ひと足先に中学生になったコウくんが、「寝ている時は部屋に入って来ないで!」と言い出したのは、安眠を邪魔されたくないから、ではなくて、いろいろと「不都合」なコトがあったため。

そう理解したのは、プロポーズに「YES」の返事をもらってからだ。

だったら、何でジャグジーは大丈夫だったのかとツッコんでみたら、「水の中だと魚になったような気持ちになれるから、理性を保てるんだよ」と言われ、モヤッとしたけれども。


(このままだと、九十パーセントくらいの確率で、何にもしないまま結婚式を迎えちゃいそう……。本当に「初夜」。それはそれでいいような気もしなくもないけれど、でも……でも! 結婚するまでの間に、もっと恋人気分を味わいたいのよぉーっ!)

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