2年後の君にさよならを
0:暗闇

0-1:私

死にたいと思い始めてからもう三年になるけれど、まだ生きているのは私が卑怯でどうしようもない人間だったからなのでしょう。

私の生と死の結果を天秤にかけた時に、周りに迷惑がかかるのは私が"自死"を選んだ時の方が大きいはずだからと言い訳して、ずっとずっと何もかも周りのせいにして生きてきた人生でした。

けれど、そんな人生ももうすぐ終わりを迎えます。

三ヶ月前家族が事故で亡くなったからです。

私の生きていた目的は大切に育ててくれた両親への未練でした。


この世の終わりかのように心の底から悲しまなければいけなかったのに。

両親が亡くなった時一番初めに私に送られてきた感情は安堵でした。

これで私はこの世界から開放されると、

そんな単純でなんの面白みもないことを思ったのでしょう。

なんて、なんて最低な生き物なのでしょうか。

どうか、こんな私でも死後の世界があるとするならば、

家族にもう一度だけ会いたい。

そう願うことすら赦されないのでしょうか。


家族の遺産管理も終え、私の遺書も書きました。

身の回りを綺麗にし、アパートも解約。
通っていた大学も辞めました。

残されたのは必要最低限のお金とスマートフォン
そして私と、私に身につけられた洋服だけでした。


そんな時でした高校時代の知人から連絡があったのは。


私の元恋人が亡くなったと。

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