未知の世界7

ジャクソン先生から最後にと、熱い抱擁をもう一度受けて、私とお母さんはアメリカをあとにした。





帰りの飛行機の中は、研修してきた日々が一つ一つ思い出されたと同時に、日本に近づくに連れて、数ヶ月前にしばらく担当医を離れると告げた患者さんの顔を思い出していた。





この研修で得たことは、これからの医者人生に、とても役に立つことは明らかだった。







頭の中は、今後の治療方針が色々浮かび上がり、日本に飛行機が着くのが待ち遠しかった。






『かなちゃん?すごく楽しそうね?
何を考えてるの?』





そう隣の席のお母さんに尋ねられると、






「これからの仕事のことで、頭がいっぱいで、ワクワクしてますっ。」





そう答えると、お母さんも嬉しそうに、





『そう。』




と答えた。





日本からアメリカに帰る何時間ものあいだ、私はアドレナリンたっぷりで眠るのももったいないくらい興奮したままで、





着いた頃には、クタクタになっていた。
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