未知の世界7
空港から久しぶりの自宅に着くと、何も変わらない日本があった。
出国前からの違いと言えば、季節はすっかり暑くなり始めていた。
一年近くいた日本は、真夏日と言ってもいいくらい暑い。でもまだ夏ではない。
そうだった、これから私には辛い時期になるんだった。
湿気が多くて、ダニも出てくるこの季節。
そして暑くなると同時に、台風も増えてくる…
乾燥した冬も気管支がカラカラになって辛いけど、これからの時期も…実は苦手。
マンションに着くと、次第に緊張していた体、凝り固まった頭…
リラックスした瞬間に、
嫌な予感が体中に襲いかかってきた…
アメリカ退院後から、研修が始まり、最後だからと詰め込んだ知識、身につけた技術。
遅くまで勉強した毎日に、帰国のために片付けに奔走した休み。
最後に飛行機の中では全く眠れなかったことが…
今、マンションに着いた瞬間…
全てが私の体に襲いかかって…
玄関に足を踏み入れると同時に…
眠い…
靴を履いたまま、冷たい床に倒れ込んだ。