未知の世界7
私たちのマンションから近いとは聞いていたけど…
隣じゃん…
しかも進藤先生のマンションの方が規模が格段に上。
そりゃ、孝治さんよりも大先輩に当たるんだから、そうだよね…
なんて自己解決してると、玄関の鍵を開ける進藤先生。
ガチャ
開けた先の玄関は…
はぁ…
ため息が出てしまいそうなくらい、広い。
ここだけで充分すごさがわかるけど、中に入って進んで行くと、廊下の広さからして違う。
一軒家でもないのに、豪華な一軒家のおうちと、変わらない。
本当の『リビング』というものを目の当たりにして、足が止まる。
リビングダイニングが普通だと思ってたけど…
そうではなかったようで。
『あ、そうだ。』
そう言って、さっき玄関に吊るしてあった袋の中をガサガサと探る進藤先生。
『孝治くんと約束してたんだった。』
え?
『かなちゃんを家に入れていいか許可もらった時に。
これもお願いと言われて。』
進藤先生が袋から出したものは、
点滴パック!?
しかもそれって。
いつのまに病院に取りに行った?