未知の世界7
『MRIでの検査結果では脳内の異常は見当たらなかった。
メニエールということは間違いないな。
後は、今飲んでる薬とかなの体がうまく合うか…っていうことだな。
早速一週間、ここにいる間に試すから、薬はしっかり飲むこと、そして食事もしっかり摂ること。
いいな?』
「はい…
あの…」
『ん?なんだ?』
「私は、いつ…
仕事復帰ですか?」
『あぁ、それなら大丈夫だ。
順調に退院できたら、予定通りの日には復帰できるからな。』
その言葉を聞いてホッと胸を撫で下ろした。
『仕事のことばかり考えてると、ゆっくり療養できないぞ。今は何も考えるな。
そして、薬を必ず飲めよ。』
「は、はい…」
『もちろん一週間、みっちり吸入しておけよ。じゃないと、復帰が遠のくぞ。』
やっぱり…そうきたか。
『仕事が始まったら、循環器系は石川先生、呼吸器系は進藤先生が主治医になるからな。
メニエールは脳神経科だけど、石川先生や進藤先生でも診ることは可能だから、お二人が話し合って薬を出していくようだから。
ちゃんと言うこと、聞くんだぞ。』
前の主治医に戻ってる…。
仕事に厳しい石川先生と、怒らせると怖い進藤先生。
何事もありませんように…。
『ん?なんか言いたいことが?』
「…ありません。」
…ていうより、言えません。