未知の世界7
その後、うとうとしながらも、目をこすってなんとか消灯まで起きていることができた。
もちろんジャクソン先生は一時間に一度は部屋を訪れた。
消灯になると同時に眠りについたかなは、次に目を覚ました瞬間、
「ゲホッ!!」
大きくせき込んで体を起こした。
体を起こすとさらに咳はひどくなり、
「ゲホゲホゲホゲホ!!!はぁはぁはぁ…
ゲホッゲホッ!!」
止まらなくなっていた。
近くのナースコールは、ベッドから落ち手元にない。
かなは必至で壁にかかったナースコールのコードに手を伸ばすが、
なかなか届かない。
「ゲホッ!
た…すけ…て…」
と日本語で何とか声を出すかなは、酸素不足のせいか顔面が青白くなってきた。
目を開けて意識を保つことに必死になっていると、
ガラっ!
部屋のドアが開いて、ジャクソン先生が現れた。
『かな!!!遅くなってごめんね。』
そういうと、部屋の引き出しにある吸入器を取り出し、かなの口に薬を入れる。
それでも呼吸が荒く、咳は止まらない。
後に入ってきたナースが、酸素の用意をしている間、
かなは意識を手放した…。
『かなっ!!しっかりしろ!!』
めったに大声を上げないジャクソン先生の必死な様子に、一緒にいたナースは驚きを隠せないでいた。
それからは処置室へ運び、かなに呼吸器を付け、喘息は何とか落ち着いた。
さらに経過を見るため、呼吸器に加えて、胸には心電図をつけ、24時間体制でかなを見守った。