未知の世界7
いつか孝治さんが私のために買ってきて、大事に持っていてくれた。
神社のお守り。
私たちの住む街に大きな神社がある。
熱波神社。
ここで孝治さんも私の大学合格を祈って、お守りをずっと持ってくれていた。
時間のある時に参拝して、お祈りまでしてくれた。
だから、今回は私の番。
「これにしようかな。」
可愛いピンク色のお守りを購入して、神社でもお参り。
『かな、屋台も結構あるぞ。』
神社はいつも屋台がたくさん並んでいるようで、味噌カツとかホルモン煮とか…孝治さんの喜びそうなものばかり。
私には少し味が濃いから、何がいいかなぁ。
なんてあると見ていると、フランクフルトやうなぎを焼いてしょうゆで食べるものなんかもある。
この辺なら調味料付けたらいけそうかな…
なんて思っていると、いけそうなものは既に孝治さんが並んでくれていた。
それを持って嬉しそうにやってくる。
『そこの椅子と机で食べるか。』
う…もしかして、またご褒美?
今日もだなんて怖すぎる…
それでうなぎ!?
なんて考えていると。
『早くするぞ。冷める前に。』
何も考えてなさそうなので、ホッとして机に向かった。
それから少し休憩して、家に帰ると夕方になっていた。
出先でお母さんたちから連絡を受けて、夜はお母さんがご飯を作ってくれると言っていたので、部屋だけ片付けて待っていた。
『そうだ、かな。』
これを…と言って孝治さんが差し出したものは。
ー健康祈願ー
と書かれた水色の可愛らしいお守り。
「えっ!?私に!?
嬉しい!」
そう言って孝治さんに抱きつくと。
『ん?また欲しくなった?』
といやらしく言う孝治さんに、
『ち、、ちがいます』
と言って慌てて離れた。