未知の世界7
気づくと腕の点滴はなくなり、ソファからずり落ちそうな位置で目が覚めた。
ん?何時?
休憩室の時計は18時を差していた。
休憩室をガチャっと開けるも、医局の中で仕事をしていた先生たちのうち半分以上が白衣から普段着に着替えている。
あれ?いつもなら帰ってる先生もいる。
しかも当直の先生かな?
知らない先生が待機してるし…
寝起きの頭で色々考えてみるけど、分からない。
『起きたか、佐藤。』
私に気づいた石川先生。
「はい…。みなさん、今日は帰られないのですか?」
『あぁ。』
それだけ言って何も教えてくれない。
これ以上は聞きにくい。
次々に私服に着替える先生方。
最後の方に来たのは孝治さん。
『全員そろったかー?』
医局長の声がかかった。
誰かが返事をすると、
『じゃあ、行くか。』
ん?
はてなマークの私に孝治さんが近づいてきて、
『ほら、立って。移動するぞ。』
未だにボーっとしている私は孝治さんに立ち上がらされて、引っ張られて歩いていく。
病院を出て、
近くの駐車場へ。