未知の世界7
「ううん…何でもないです。




ただ…



突然息苦しくて、目が覚めました。」


 


肋骨の痛み…言うのが怖くて。





何か起きてる気がして、言えない…





『熱が出てきたか?』





額に手を当てる石川先生。





『マスクしとくか。』




そう呟くのが聞こえて、





「いえっ、大丈夫です。」






マスクすると重症な感じが、すごいする。







そんなんじゃないし…






『やるかやらないかは、俺が決める。』





スパーンっと一蹴され、言ったことを後悔…






手際よく看護師がマスクを用意して、私の口に当てられる。







またしばらくは動けない…






『とりあえず、今日も病室出ずに寝てるんだな。』




 

そんなことを言いながら、立ち上がり、石川先生は部屋をあとにした。





意外と早い退散に、呆気に取られながらも、睡魔も襲う。





早く起きすぎたな…





だけど、眠ると怖い。





さっきみたいに息苦しくて起きたり、咳で起きたり。
    






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