未知の世界7
翌日、朝の回診に来たのは当直明けの先生。



『昨夜、発作は出ていないかな?』





「はい、出ませんでした。」






『そう、じゃあ聴診するね』





と言われ、服をめくったほうがいいのかな…なんて思っていると、その先生は胸元から聴診をし始めた。






あれ?別にこれでも聴診できるんなら、私の主治医もこうしたらいいのに。






なんて考えていると、






「ゲホッ!いったー!」






咳が突然込み上げて、すっかり忘れていた肋骨に激痛が走った。






『ん?どこか痛い?心臓かな?』





そばにいた看護師さんが『少し開けますねー』と胸元に手を伸ばす。






「いえ!大丈夫です。どこも痛みません。」






全力で否定してみると。







『あぁそう。




痛いところがあったら我慢せずに言うんだよ。』







そう言われ、頷いて返事をすると、あっさりと回診は終わった。






循環器内科の先生だと思うけど、石川先生に診てもらってばかりであまりよく知らない。





呼吸器内科は進藤先生だし、小児科と関わりがないと研修してからもう何年も経つから、転院してきた先生だと尚更分からない。






まぁ、今しか会わないだろうし…






なんて油断をしていた…
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