未知の世界7
『おはようさんっ!』




ノックなしで入ってきたのは、首に聴診器を掛けて、機械をガラガラと押す石川先生。





「お、おはようございます」






突然入ってきたので、驚く。





『熱も下がったみたいだし、エコーとるから。』





淡々と準備を始めていく先生に、






「え?検査室行けますけど。」







部屋まで持ってきてもらったことに疑問を持つ。







『いや、こっちの方が早いから。』






素っ気ない感じもするけど、それ以上にいつも誰かいる看護師さんがいないことが気になる…







そんな心配をよそに、気づくとパジャマの胸元を開けられて、胸にタオルがかけられる。





そしてジェルが、塗られる。






丁寧に診てくれるのはいいけど、左胸を強めに押すので、あまりいいものではない。






何枚もデータを取られて、終わるとテキパキと胸元のジェルを拭いてくれる石川先生。







いつも看護師さんがやるんだけど、こんなことまで…







『ちょっと胸元ごめんなー』








そういうと突然両手でグッと、胸元から順に腹部へ強く押される。





うっ!






普通に痛い…息も一回一回止まりそうになる。






少しずづ腹部に近づくと…







あっ!痛い…





「止めて!」






あまりの痛さに強く先生の腕を押していた。







「ハァハァハァ」






腹部に激痛が走る…






『ここだな。』







さっきまで穏やかな顔の石川先生はもういなかった。







『もう一度』






そう言われ強く押される





「いったーい!!!」






かなりの痛さに声が抑えられない。







『はぁ…』








大きくため息をつく石川先生。







『いつからだ?』






押し殺したような声。





怒っていることがすぐわかる。





「………。」






『答えられないか?』





語気強め…





「…少し前に発作の出た頃から…」







『なんですぐに言わないんだよ!』







それは…言っても、こうやって怒られるし…







『これからレントゲン行くぞ』







今度は車椅子に乗って、一階のレントゲン室へ。




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