女の恋愛図鑑
それから2週間後、まみと電話で連絡が取れた。


「辛かったのよ。みんなのものだった先輩がそうじゃなくなってくのが。」


あのね、先輩はものじゃないし、誰かの所有物じゃないよ。

「まみだって、それなりに大学入って出会いがあると思ってた。焦ってたんだわ。」

「あの子たちはまみたちと仲良くなる気がない。どうしようもない。そっちがそうならまみたちもその気だよ。」

まみ、もうそろそろ自分の事まみって言うの卒業しようね。
あみたちはね、まみたちと打ち解けてないこと気にして、1回だけで飲み会やろって計画しててくれたんだよ。仲良くなるつもりがないなんて、どこで聞いたんだよ…。


あたしはちょっと、ていうかかなり呆れてしまった。この子たちは、赤ちゃん返りしてしまったわけだ。弟や妹が生まれて、相手されなくなった子供が、お母さんの気を引きたいがために、急に退化してしまう、つまりはそれと同じように。


つまらない。
あたしを苦しめた理由が、こんな陳腐な発生だったのか、佐知ちゃん残念~。死亡。

何かを取り戻すとか、そんな気は一切湧くことなく、あたしは2人と潔く縁を切った。

大学に入ったのに、中学生よかレベル低いわ。
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