女の恋愛図鑑
30分後、あたしの部屋のドアから、ノックする音がする。
ドアを開けると、ちょっと悲しそうな顔をしたきったんが立ってる。
何がいいたいの、ね。
ドアを閉めると同時に、きったんはいきなりあたしに抱き付く。
うっ…
「…もう!…なん、すごい臭い。」
どこを取っても、タバコの臭いしかしない。
何なの??許してもらおうとか思ってんの、身の程知らず!
「ごめん、マジでごめん。もうしない。約束する。」
言い訳はしないとこは認めてやってもいい。けど、話は別。
付き合った時、これだけは絶対守ってほしい契約をした。
〔タバコはもう吸わない〕
吸ったら?
それは2人の終わり。
「約束忘れてないよね?吸ったらどんなことになるか分かって吸ったんだよね。」
きったんはあたしの目を見ようとしない。
「ほんとにほんとにもう吸わない。次吸ったら、別れてもしかたない。ていうか次なんて一生ない。」
あれ?何でちょっと泣きそうなの?泣きたいのはこっちだよ。
好きだから、あたしだってこんなことで別れたくないよ。
でも、好きだからこそ裏切られた時、心が辛い。
ちゃんと分かってる?ねぇ…。