女の恋愛図鑑
20分くらい説得されて、結局あたしはきったんを許してしまう。
「次やったら、もうないよ。」
きったんは首だけこくって曲げる。
そして何か気付いたら2人とも裸。
ケンカの後、きったんは求めてくる。
体で納得させようとしてるの?自信があるみたいな事言ってたもんね。
でもね、絶対言わないけど、あんたそれほどでもないよ。
と、言えるのは比べる対象が出来たからだ。
合宿も気付けば最終日で、練習から帰る途中きったんが手をつないで来た。
あぁ、この時手をつながなければ、違う終わりになったのかな…。
着替えるためにきったんと離れて、あたしは新しいTシャツに袖を通す。
?
何か今、かすかにタバコの臭いがした。
なんで…
あたしの左手からだ。きったんとつないだ手。
何かわらけてきた。
あたしは犬か。鼻が良過ぎる。こんなの普通じゃ気が付かない。
微かだ。微かすぎる。
でも、事実。
あたしは横で着替えてるあみに抱き付いて、急に泣いた。
「ちょっとっ…どーしたの佐知!何で泣いてるの。」
「もうダメだあみ~…う~。」
あみはそれ以上何も聞かなくて、ただ頭をなでてくれる。
「ありがと。」