女の恋愛図鑑

20分くらい説得されて、結局あたしはきったんを許してしまう。


「次やったら、もうないよ。」

きったんは首だけこくって曲げる。

そして何か気付いたら2人とも裸。

ケンカの後、きったんは求めてくる。
体で納得させようとしてるの?自信があるみたいな事言ってたもんね。
でもね、絶対言わないけど、あんたそれほどでもないよ。

と、言えるのは比べる対象が出来たからだ。


合宿も気付けば最終日で、練習から帰る途中きったんが手をつないで来た。


あぁ、この時手をつながなければ、違う終わりになったのかな…。




着替えるためにきったんと離れて、あたしは新しいTシャツに袖を通す。
?

何か今、かすかにタバコの臭いがした。

なんで…

あたしの左手からだ。きったんとつないだ手。

何かわらけてきた。
あたしは犬か。鼻が良過ぎる。こんなの普通じゃ気が付かない。
微かだ。微かすぎる。
でも、事実。

あたしは横で着替えてるあみに抱き付いて、急に泣いた。

「ちょっとっ…どーしたの佐知!何で泣いてるの。」
「もうダメだあみ~…う~。」

あみはそれ以上何も聞かなくて、ただ頭をなでてくれる。
「ありがと。」

< 18 / 55 >

この作品をシェア

pagetop