女の恋愛図鑑
同じ学年だったんだ。ふーん。
どうってことないかもしれない。けど、胸がざわざわする。
これが埋めてくれるの?こんなタイミングじゃ分からない。けど、試す価値はあるように思う。
次の日も、食堂に行った。あの彼が目当てとかそんなんじゃなく、ただ買いに来ただけ。
あぁ、でもどうしてだろう。きっと今までもすれ違うくらいはしていたはずなのに、今日も同じ場所で会えた彼に、また目が行ってしまう。
あたしは確信した。何かせずにはいられない。
ゆっくりと息をして、それから一気に詰め寄る。
「あたしC組の吉武佐知っていうんだけど、良かったら、…メアド教えてもらえませんか?!?!」
あまりの勢いに、彼は目を丸くする。ごめん驚かせて。でも、我慢出来ない。
「…いっいいけど、あ、俺西岡大也って言います。よろしく。」
そうだ!名前知らなかった…順番間違えた。
礼儀めっちゃ良い。あたしの目に狂いはないってことかな。
めでたく、あたしと大也はメールをするようになる。
それは最初、あたしから始まり、1週間め経たない内に大也も送って来るようになって、2人の日課になっていく。
それはあたしの心に、ゆっくりと充電されていく。