女の恋愛図鑑
そうだったのか…女というものを、あまり知らない。その理由は、こんなに哀しいことからだったんだね。

「好きだから、一緒にいて幸せって分かったんだ。」

それは詩のように、あたしを包む。

「付き合ってほしい。」
「はい。」

あの時から、ちょうど1ヶ月が経とうとしていた。

あたしの中は、整理整頓されていない。いろんなものが積み重なって、あまりにもすべてを新たに始めるには、早すぎる。

だから、積み重なって石炭みたいに固くなるんじゃなく、上も下も解らなくなるように、シェークみたいにぐちゃぐちゃだった。

不意に、瞬間に、今その時出会った人ではない人の事を、猛烈に愛しく感じて、ダメダメ何やってんだ!って自分で頬をつねる必要がある。

それだけあたしの心は、バラバラなんだ。
けど、そうは分かっていても、あたしは自分を叱咤激励する。何かに追われるように、猛烈に先に進まなければならないような気がして…立ち止まる暇なんて、無い。

大也で、燻る心のモヤをねじ消すみたいに、あたしを満たして、お願い。

それは身代わりだった。あの人や、この人を一瞬でも早く忘れるための。

ごめんね。どんな形でも、あなたを必要だとはちゃんと自覚してるよ。
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表紙・目次

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