女の恋愛図鑑
あたしは自分で自分がうんざりするほど、何かを強烈に求めると、諦めが悪いのだろう。
雄志をきっぱり諦められたら、辛い思いから逃げられる。けど、付き合った2人を見たら、地獄に突き落とされたような気持ちになるだろう。
そうはなりたくない…そんな惨めさ味わいたくない…
恋があたしの心を着実に蝕んでいく。それが分かる。
けど、止められない。
あたしは体育の時間に、ちょっとトイレに行くと言って抜け出した。
そして誰の目にも触れないように更衣室に行く。
あたしの手に今、ケータイがある。けどこれはあたしのじゃない。
これは、美紀の。
あたしは発狂しそうだった。でも止めておけば良かったのに、美紀のケータイから2人が今どこまで進んだのかをどうしても知りたかった。
ダメだと分りながら、けれどどうしても止められない。
あたしは、自分から卑怯者に成り下がる。
え??
あたしは目を疑う。
あたしの驚きは美紀のハートづくしのメールの内容でもなんでも無い。
絵文字がキレイに、バランス良く使われた、手のこんだ雄志のメールに目を疑ったのだ。
あたしの時はこんなじゃない。