女の恋愛図鑑

車の窓から覗くと、一面に綺麗な景色が見えた。

こんな近くに絶景があったなんて、たーくんに教えてあげなきゃな。

よく考えてみたら、あたし夜景見に行くの初めてだった。




…ん?


……んん???


としくん、顔!近い近い!


何?


え?ちょ、あああぁあ~!!?






気付いたら、あたしの唇にとしくんの唇が乗ってた。つまりは、キスしてた。



そういうことしたかったのね??



としくんは最初、小鳥のさえずりみたいなキスを3、4回してから、舌を入れてきた。


「…ん」


としくん、何かパワフルだね。おばさんは嬉しいよ。


とか頭の中で一人会話するくらいの余裕は、あたしにはあった。


最初あたしの肩に置いてあった手は、気付いたら胸を鷲掴みにしてた。


「…ん…はぁ、ん」



あたしの甘い喘ぎが漏れる。

1月の寒い空気とあたしたちの熱気を象徴するみたいに、車のガラスは曇ってきて、もう外の景色は見えない。
< 4 / 55 >

この作品をシェア

pagetop