女の恋愛図鑑
車の窓から覗くと、一面に綺麗な景色が見えた。
こんな近くに絶景があったなんて、たーくんに教えてあげなきゃな。
よく考えてみたら、あたし夜景見に行くの初めてだった。
…ん?
……んん???
としくん、顔!近い近い!
何?
え?ちょ、あああぁあ~!!?
気付いたら、あたしの唇にとしくんの唇が乗ってた。つまりは、キスしてた。
そういうことしたかったのね??
としくんは最初、小鳥のさえずりみたいなキスを3、4回してから、舌を入れてきた。
「…ん」
としくん、何かパワフルだね。おばさんは嬉しいよ。
とか頭の中で一人会話するくらいの余裕は、あたしにはあった。
最初あたしの肩に置いてあった手は、気付いたら胸を鷲掴みにしてた。
「…ん…はぁ、ん」
あたしの甘い喘ぎが漏れる。
1月の寒い空気とあたしたちの熱気を象徴するみたいに、車のガラスは曇ってきて、もう外の景色は見えない。