女の恋愛図鑑
3年生になっても、あたしと美紀は同じクラスになる。
3年生は校舎の2階に教室があって、廊下に出ると中庭が見渡せるバルコニーがある。
そこは二人のオアシスになっていた。
休み時間になるとあたしのクラスまで雄志が来て、あたしじゃなく美紀が呼ばれる。
10分間、二人が向き合って笑顔なのを、他の友達と他愛もない話をしながら視界の隅でちらつく度に、あたしの心はざわついた。
この淡い恋の終末を迎えて理解出来たこと、それは恋というものがいかに不毛なものかということ。
誰が1番に好きになったとか、どれくらい長い間好きだとか、何をどれだけ知ってるとか、そんなものは全て無意味。
どんなに周りが傷付いたとしてもただ、最後に幸せになれる人間はその2人しかいない。
その2人のために全ては無になる。そういうものだ。
そこから溢れたものは、また違うフィールドで幸せを掴むために、自分の触手を外に向け始める。
それを何度も何度も繰り返す。
自分という人間を引き入れるパートナーに出会うまで。
そこから溢れた人間であるあたしは、雄志の身代わりを探し始める。
雄志を最初、そう思って惹かれた頃のように。
あたしはまた、不毛な世界をさまよい続ける。
3年生は校舎の2階に教室があって、廊下に出ると中庭が見渡せるバルコニーがある。
そこは二人のオアシスになっていた。
休み時間になるとあたしのクラスまで雄志が来て、あたしじゃなく美紀が呼ばれる。
10分間、二人が向き合って笑顔なのを、他の友達と他愛もない話をしながら視界の隅でちらつく度に、あたしの心はざわついた。
この淡い恋の終末を迎えて理解出来たこと、それは恋というものがいかに不毛なものかということ。
誰が1番に好きになったとか、どれくらい長い間好きだとか、何をどれだけ知ってるとか、そんなものは全て無意味。
どんなに周りが傷付いたとしてもただ、最後に幸せになれる人間はその2人しかいない。
その2人のために全ては無になる。そういうものだ。
そこから溢れたものは、また違うフィールドで幸せを掴むために、自分の触手を外に向け始める。
それを何度も何度も繰り返す。
自分という人間を引き入れるパートナーに出会うまで。
そこから溢れた人間であるあたしは、雄志の身代わりを探し始める。
雄志を最初、そう思って惹かれた頃のように。
あたしはまた、不毛な世界をさまよい続ける。