女の恋愛図鑑
あのコになりたい
しょーもない男の子に告白されて、すんなり付き合って、浮かれきったあたしはすぐ自分の行いを悔やんだ。
付き合ったきっかけっていうのも、軽音部でドラマーで顔もカッコいいのに、照れ屋で全然女の子と絡みのない司くんが、偶然後ろの席だったから話し掛けてみたのが始まり。
それが2年生の5月くらいで、あたしの誕生日覚えてた司くんが不意に香水をプレゼントしてくれたのだった。
高校生で香水とか、意外とおしゃれだなとか、その香りがあたしっぽいから選んだとか言ったりして、その香りがめちゃ好みだったりして。
たまに一緒に帰ろって誘われて、ほいほいついて行ってたりしたら告られて、何とも思って無かったけど、あたしの中のもったいない精神が反応したのだ。
女の子なら、1度くらいあるような事。どれほど好きとか、そんな事あんまり関係ない。今は経験を積むことを優先しがちなんだ。
と思い込む。本当に純粋な恋なんて、大人になる一歩手前までしか出来ないかもしれないのに。
7月、終業式のために全校生徒が体育館に集まる。
もう夏休みか、とかぼけっとしていたら、先生が話始めた。