女の恋愛図鑑
好きすぎて嫌い
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あたしはまだすごい野暮ったくて、おしゃれでもなくて、女としての努力もしていない。
けれど女の子って一度努力したり行動したら、結果がついてくるって分かったら、突っ走るものなのかも。
中学校入りたてのあたしはお気に入りの王子様を見つけるのにそう時間はかからなかった。
「中1なんて小6と変わらない」
みんなすぐ大きくなることを見越して、ママンにでかい制服を着させられている。
滑稽だ。
けどあたしが見つけた王子さまは違うのだ。
背が高くて、髪の毛と肌の色素が薄く、透き通っている。
漫画みたいに大きくて綺麗な二重、鼻筋が通っている。
この人は何なのだ、と思うほど綺麗な男の子をまさか自分のクラスで発見出来るなんて、あー神様ありがとうとしか言いようがない。
そんな人モテてモテて仕方ないのが普通だけど、彼長野くんは違った。
中学に入学し同じクラスで過ごした半年、彼と女の子がにこやかに会話、ないしは挨拶を交わした現場を誰一人目撃していないのだ。
これは一体どういうことなのか?
あたしの王子さまは世間では神秘的な人物であるらしい。