(完)28歳の恋愛事情
「礼央、君…?」





震える声で名前を呼ぶと、口角をあげた礼央君の手が、器用にブラウスのボタンに触れた。



そのまま一個、また一個と外されていく。





「ま、待って…っ…」




なんてわたしの声は、きっと礼央君の耳には届いていない。





まだ心の準備できてないよっ。



それに、もう何年も音沙汰ない…。




ついていけるか不安なんだけど…っ。





そうこうしていると、キャミソールの中に礼央君の手が滑り込んでくるのがわかった。




「っ……礼央君…」
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