(完)28歳の恋愛事情
「そうなんだ?君、すごく仕事ができそうだね」




と笑う瀬戸さんに、作り笑顔を向けていた礼央君から視線をそらす。




……なんでこんな気持ちになるんだろ。




こんな気持ちになるのはおかしい。





だって、わたしが作った現実だもん。




礼央君の存在を瀬戸さんに言わなかった選択をしたのはわたし。





「じゃ行こっか」




瀬戸さんの声に笑顔を向けると「楽しんでください」と礼央君。





楽しんでいいんだ…?



なんて一々思ってしまうのがつらいし、うざい。
< 183 / 407 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop