それは鎖のように《短編》
苦しい。苦しい。苦しい。
身体を千切られてしまうのではないかと思う程、強く強く縛られる。
「……あ、。う…」
声という声が出ない。
「そんなに気持ちがいいのか」
彼は私に笑顔を見せながら更に強く縛っていく。苦しくて顔を歪ませているのが、"快楽に溺れている"そんな風に彼の目には見えているのだろうか。
_______いいや、違う。
彼が快楽に溺れているのだ。
苦痛を与えるために私の身体を縛り付け、弄り遊んでは私の中に自分のモノを入れて快感を得る。私は抵抗すらできず、彼の欲求を満たすだけ遣われるがまま。
一通りの行為が終われば、解放される。
彼は私を解放すれば、すぐに服を着てベランダに出ては一服する。
これがいつもの流れ。
私は自分の身体に目を向けた。
身体に残る縛られた跡。内出血をしているため、色は変色し紫となって痛々しく刻み込まれている。
減ることのなく増えてばかりの跡を見ては、何度彼に恐怖を抱いただろうか。