それは鎖のように《短編》
私は恐怖を抱いた彼に"愛"を抱いていたんだ。
私を縛り苦しめ、それを快楽として見せた笑みの跡には、優しくそして今にも潰れそうな彼。傷つけながらも優しくしてくれる彼に、惹かれていった。
私は告白をして、彼と恋人同士になることが出来た。
でも、彼にとっては私はただの"道具"でしかないのかもしれない。
自分の欲求を満たしてくれるだけの、丁度いい女だったかもしれない。
彼は私と口付けを終えた後、命ずる。
「もう分かっていると思うが、僕は明日会議が入っている。君は早帰りだが、帰らず会社に残れ。会議が終わり次第、僕と帰る。一歩も外に出るな」
「はい」
「それと、君は僕の"モノ"だ。誰にも触れさせず触れるな」