それは鎖のように《短編》
他人が理解しようと思わなくていいのだ。
現に、私たちの他にも私たちのような関係を持っている者がいることは、間違いない。
実の妻がいるのにも関わらず、何人もの女と遊ぶ夫。そして、それを知っていながら、見向きもせず自分も同じことをする妻。
DVだと分かっていながら離れられない女だっている。
それにどんな理由があろうとも、誰も理解し難いものがあるのは確か。
愛のカタチなんて人それぞれだ。
私は服を着る。"印"は服によって隠れ、服を捲らない限り見えることはない。
私は花の甘い香りに誘われた蝶で、彼は巣を作って待っていた蜘蛛。
蜘蛛の巣に捕まった蝶は逃げることは不可能。