天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
私の担当はお掃除だ。さてと、さっさと終わらせちゃおう。
まずはリビングから掃除機をかけていると、不意にキッチンの方からガッシャーンと甲高い音が鳴った。
なんの音だろう。私は掃除機の電源を止めて、キッチンをのぞき込む。すると皿洗い担当の桜文兄さんの姿があった。
「桜文兄さん……? なんですか、今の音は」
「いやあ、ちょっと手を滑らせちゃって」
桜文兄さんは、ははっと苦笑いを浮かべる。シンクの中をのぞくと、お皿が一枚割れていた。
「ははっ。失敗、失敗!」
「もう、気を付けてくださいよ」
私は自分の仕事に戻るけど、でもすぐにまた、がっしゃん、がっしゃん! と立て続けに何度も不吉な音が聞こえてきた。
急いでシンクの中をのぞきに行くと、割れた皿がさらにもう何枚も増えていた。
「へへっ。次こそは大丈夫!」
兄さんはまたお皿を手に取るけど、お皿は、すぽーんと兄さんの手の中から勢い良く飛び出して、そして。床の上に落ちたのと同時、またまたガシャーンッ!! と部屋中に盛大に鳴り響いた。
「もういい、もういいですから! あとは私がやります」
「でも、皿洗いは俺の仕事だし……」
「このままだと家中の食器がなくなっちゃいますよ。兄さんはテレビでも見ててください」
兄さんは背中を丸め、とぼとぼとキッチンから出ると悲しげにソファーに座る。それから私が言った通り、おとなしくテレビを見始めた。
少しかわいそうだけど、でも、あの調子だと皿洗いじゃなくて皿割りになっちゃうもんね。
あーあ、やることが増えちゃった。さっさと掃除を終わらせないと。
気を入れ直した矢先、今度は、ガッコーン! と変な音が聞こえてきた。
まずはリビングから掃除機をかけていると、不意にキッチンの方からガッシャーンと甲高い音が鳴った。
なんの音だろう。私は掃除機の電源を止めて、キッチンをのぞき込む。すると皿洗い担当の桜文兄さんの姿があった。
「桜文兄さん……? なんですか、今の音は」
「いやあ、ちょっと手を滑らせちゃって」
桜文兄さんは、ははっと苦笑いを浮かべる。シンクの中をのぞくと、お皿が一枚割れていた。
「ははっ。失敗、失敗!」
「もう、気を付けてくださいよ」
私は自分の仕事に戻るけど、でもすぐにまた、がっしゃん、がっしゃん! と立て続けに何度も不吉な音が聞こえてきた。
急いでシンクの中をのぞきに行くと、割れた皿がさらにもう何枚も増えていた。
「へへっ。次こそは大丈夫!」
兄さんはまたお皿を手に取るけど、お皿は、すぽーんと兄さんの手の中から勢い良く飛び出して、そして。床の上に落ちたのと同時、またまたガシャーンッ!! と部屋中に盛大に鳴り響いた。
「もういい、もういいですから! あとは私がやります」
「でも、皿洗いは俺の仕事だし……」
「このままだと家中の食器がなくなっちゃいますよ。兄さんはテレビでも見ててください」
兄さんは背中を丸め、とぼとぼとキッチンから出ると悲しげにソファーに座る。それから私が言った通り、おとなしくテレビを見始めた。
少しかわいそうだけど、でも、あの調子だと皿洗いじゃなくて皿割りになっちゃうもんね。
あーあ、やることが増えちゃった。さっさと掃除を終わらせないと。
気を入れ直した矢先、今度は、ガッコーン! と変な音が聞こえてきた。