天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
「百人組手なんて絶対に無理ですよー」
「おい、おい。やる前からあきらめるなよ。
いいか、牡丹。ものは考えようだ。一秒でも長く画面に映った方が、親父の目に留まる可能性も高まるだろう」
「それはそうですが、でも……」
「それに、ほら……」
「牡丹お姉ちゃん……!」
「牡丹……!」
「ひっ!? 芒に藤助兄さん……!」
「あの目を見ながら同じことが言えるか?」
芒と藤助兄さんは、無垢な瞳で私を見つめてくる。
……やるしかない。
私は意を決すると、重たい足を引きずるようにして特設ステージへと上がって行った。