天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
「久し振りだな、姉さん」
「なんで、どうして……。どうしてアンタがここにいるのよ、萩っ――……!!」
ぶるぶると震えの止まらない拳をそのままに、私はどうにかその一言を吐き出させる。だけど萩は全く表情を変えない。冷徹な面を維持させている。
「あの人に訊いたの……?」
「あの人って、もしかして親父のことか? 仮にも一時、自分の父親だったにも関わらず、そんな風に呼ぶんだな」
私はなにも答えない。いや、答えられないと言った方が正しいと思う。
そんな私を追い詰めるよう、萩はくすりと唇をゆがめさせる。
「……まさか。問い質したけど、親父は最後まで教えてくれなかった。
姉さん、この間、テレビに出ただろう?」
「テレビ? テレビってまさか、『幸せ家族策略』のこと?」
「そう、それ」
「テレビには出たけど、でも、萩はテレビ全然見ないじゃない」
「確かに俺は見てなかった。けど、番組を見てたクラスの連中から連絡が来たんだ。お前がテレビに出てるって」
なっ、なっ……。なんで、どうして……。
お父さんじゃなくて別なのが釣れちゃった――!!?
本来狙っていた獲物ではなかった所か、全く予想もしていなかった事態を招いちゃった。
ひくひくと私の頬は引きつる。
「なんで、どうして……。どうしてアンタがここにいるのよ、萩っ――……!!」
ぶるぶると震えの止まらない拳をそのままに、私はどうにかその一言を吐き出させる。だけど萩は全く表情を変えない。冷徹な面を維持させている。
「あの人に訊いたの……?」
「あの人って、もしかして親父のことか? 仮にも一時、自分の父親だったにも関わらず、そんな風に呼ぶんだな」
私はなにも答えない。いや、答えられないと言った方が正しいと思う。
そんな私を追い詰めるよう、萩はくすりと唇をゆがめさせる。
「……まさか。問い質したけど、親父は最後まで教えてくれなかった。
姉さん、この間、テレビに出ただろう?」
「テレビ? テレビってまさか、『幸せ家族策略』のこと?」
「そう、それ」
「テレビには出たけど、でも、萩はテレビ全然見ないじゃない」
「確かに俺は見てなかった。けど、番組を見てたクラスの連中から連絡が来たんだ。お前がテレビに出てるって」
なっ、なっ……。なんで、どうして……。
お父さんじゃなくて別なのが釣れちゃった――!!?
本来狙っていた獲物ではなかった所か、全く予想もしていなかった事態を招いちゃった。
ひくひくと私の頬は引きつる。