天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
「梅吉兄さん……。その、えっと……」
だけど、いつまでも言い渋る私に、萩が横から割って入って、
「俺は足利萩。牡丹の義理の弟です」
と勝手に後を続けさせる。
すると梅吉兄さん達は、そろってぽかんと間抜け面を浮かべさせた。
「へっ……? 義理の弟って……」
「俺の親父と牡丹の母親が再婚したので、俺達は姉弟になりました。とは言っても連れ子同士なので血縁上の関係は一切ありませんが。
だけど数か月前、母が亡くなった矢先、牡丹の父親のことを知るという人物が俺達の前に現れて。その人から父親の元に来ないかと誘われると、コイツは俺達との関係を捨てて家を飛び出しました」
「な、なによ、その言い方。別に捨てた訳じゃ……」
「それじゃあ、他になんて言えばいいんだよ」
「それは……。だ、大体、私がいなくなって清々してる癖に。私のことなんか、もういいでしょう!? これ以上、私に構わないでよ!」
「そういう問題じゃない!
お前は勝手に家を出て、親父はその後のお前に関することは一切教えてくれなかった。……けど、やっと見つけた」
萩は一度そこで区切り、小さく息を吸って吐き出させてから、
「牡丹、帰るぞ――」
だけど、いつまでも言い渋る私に、萩が横から割って入って、
「俺は足利萩。牡丹の義理の弟です」
と勝手に後を続けさせる。
すると梅吉兄さん達は、そろってぽかんと間抜け面を浮かべさせた。
「へっ……? 義理の弟って……」
「俺の親父と牡丹の母親が再婚したので、俺達は姉弟になりました。とは言っても連れ子同士なので血縁上の関係は一切ありませんが。
だけど数か月前、母が亡くなった矢先、牡丹の父親のことを知るという人物が俺達の前に現れて。その人から父親の元に来ないかと誘われると、コイツは俺達との関係を捨てて家を飛び出しました」
「な、なによ、その言い方。別に捨てた訳じゃ……」
「それじゃあ、他になんて言えばいいんだよ」
「それは……。だ、大体、私がいなくなって清々してる癖に。私のことなんか、もういいでしょう!? これ以上、私に構わないでよ!」
「そういう問題じゃない!
お前は勝手に家を出て、親父はその後のお前に関することは一切教えてくれなかった。……けど、やっと見つけた」
萩は一度そこで区切り、小さく息を吸って吐き出させてから、
「牡丹、帰るぞ――」