天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
　お母さんから再婚話をされた時は、お母さんもやっとお父さんのことを忘れられたんだって。その相手が私の信用できる人で良かったって、そう思ってた。

　だけど、いざ一緒に暮らし始めたら、急に輝元さんとどう接したらいいか分からなくなった。萩も形だけだけど弟に変わって、ただ今までみたいにしていれば良かっただけなのに、それなのに昨日までの景色とは変わって見えて。

　それでもどうにかごまかしながら過ごしている内に、お母さんが病気で亡くなった。

　私と輝元さん、それから萩と三人だけの生活になってからも、二人は今までと変わりなく振る舞っているのに、やっぱり私だけがうまくできなくて。常に浮き足立っているみたいで、落ち着かなくて。

　ただでさえそんな状態だったのに、お母さんの遺品を整理してたら、私宛ての手紙が出て来て。その手紙には、……本当は輝元さんのこと、そういう風には思ってなかったって。でも、それでも輝元さんは了承してくれて、それで一緒になったって。だからなにがあっても二人の元にいてほしいって、そう書かれてて……。

　お母さんは、自分がもう長くないことが分かっていたから、だから輝元さんと一緒になったんだって。そのことを知ったら、ますますどうしたらいいのか分からなくなった。

　そんな時だった。天羽さんが現れて、お父さんの元に来ないかって誘われて。それに対して輝元さんは、好きな方を選べって。自分と萩のことは一切考えないで、後悔しない方を選べって言ってくれて。

　だから私は……。
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