天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
私が天正家を出てから三日ほどが経過するけど――……。
「美竹、夕飯できたよ」
「いやあ、悪いね。いつも作ってもらっちゃって」
「いいって、そんな。お世話になってるのはこっちなんだし」
せめてこれくらいは、ね。私はお盆に乗せたお皿を次々とテーブルの上に並べていく。
準備が整うと、私と美竹は同時に手を合わせた。
「はーっ……。やっぱ夏でも味噌汁は欠かせないよねえ。あー、おいしい。
でも、まさか牡丹が料理できたなんて」
「そう? まあ、前はよく作ってたし」
「それでさ、別に急かす訳じゃないけどさ。いつになったら話に行くの?」
「それは、その。だから、その内……」
「その台詞、昨日も聞いたよ」
さらりと間髪入れずに返して来る美竹に、私は思わずふいと顔を背ける。
美竹に言われなくても分かってるもん。だけど、いざとなると、つい尻込みしちゃって。結局私は、だらだらと美竹の元でやっかいになっていた。
美竹は、
「まっ、アタシとしては好きなだけいていいけどさ。
……ただし、牡丹がいたければの話だけど」
といささか物騒な台詞を呟くと、急に外から、「おーい!」
と機械混じりではあったけど、聞き覚えのある声が聞こえてきた。その声に、私は思わず飲みかけていた味噌汁を吹き出しそうになる。
「美竹、夕飯できたよ」
「いやあ、悪いね。いつも作ってもらっちゃって」
「いいって、そんな。お世話になってるのはこっちなんだし」
せめてこれくらいは、ね。私はお盆に乗せたお皿を次々とテーブルの上に並べていく。
準備が整うと、私と美竹は同時に手を合わせた。
「はーっ……。やっぱ夏でも味噌汁は欠かせないよねえ。あー、おいしい。
でも、まさか牡丹が料理できたなんて」
「そう? まあ、前はよく作ってたし」
「それでさ、別に急かす訳じゃないけどさ。いつになったら話に行くの?」
「それは、その。だから、その内……」
「その台詞、昨日も聞いたよ」
さらりと間髪入れずに返して来る美竹に、私は思わずふいと顔を背ける。
美竹に言われなくても分かってるもん。だけど、いざとなると、つい尻込みしちゃって。結局私は、だらだらと美竹の元でやっかいになっていた。
美竹は、
「まっ、アタシとしては好きなだけいていいけどさ。
……ただし、牡丹がいたければの話だけど」
といささか物騒な台詞を呟くと、急に外から、「おーい!」
と機械混じりではあったけど、聞き覚えのある声が聞こえてきた。その声に、私は思わず飲みかけていた味噌汁を吹き出しそうになる。