天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
すると私の悲鳴を聞いてだろう、バタバタと複数の足音が廊下から聞こえてきた。
そして、
「なに、どうしたの!?」
と藤助さんが部屋の中に飛び込んで来た。その後ろには寝ぼけ眼を手でこすっている桜文さんや、はた迷惑そうな顔をしている道松さん達も立っていた。
藤助さんだけが、
「どうしたの、牡丹!?」
と私のことを心配してくれる。
「あ、あ、あれ……!」
だけど私はうまく言葉が出てこなくて、無関心そうな顔をしている菊を指差した。
「菊、どうして牡丹のベッドにいるの?」
藤助さんが訊くと、
「夜中にトイレに起きて、寝ぼけて部屋を間違えた」
と菊はさらりと言った。
「もう、菊ってば。牡丹は女の子なんだから気を付けなよ」
ちょっと待って、それだけ? もっと怒ってもいいんじゃない?
そう思っていると菊は気怠げに私のことを見て、
「いちいち大袈裟なんだよ。誰もお前みたいなガキ、頼まれたって襲わないっつーの」
「なっ……!?」
ひっどーい!! なによ、自分が悪いくせに!
今度こそ藤助さんが怒ってくれたけど、でも、菊はつんとそっぽを向いて話を聞かない。本当にやなやつ!
ぶつけ所のない怒りを、どうすることもできなくて。だから私は心の中で思い切り叫んだ。
いーっだ!!
そして、
「なに、どうしたの!?」
と藤助さんが部屋の中に飛び込んで来た。その後ろには寝ぼけ眼を手でこすっている桜文さんや、はた迷惑そうな顔をしている道松さん達も立っていた。
藤助さんだけが、
「どうしたの、牡丹!?」
と私のことを心配してくれる。
「あ、あ、あれ……!」
だけど私はうまく言葉が出てこなくて、無関心そうな顔をしている菊を指差した。
「菊、どうして牡丹のベッドにいるの?」
藤助さんが訊くと、
「夜中にトイレに起きて、寝ぼけて部屋を間違えた」
と菊はさらりと言った。
「もう、菊ってば。牡丹は女の子なんだから気を付けなよ」
ちょっと待って、それだけ? もっと怒ってもいいんじゃない?
そう思っていると菊は気怠げに私のことを見て、
「いちいち大袈裟なんだよ。誰もお前みたいなガキ、頼まれたって襲わないっつーの」
「なっ……!?」
ひっどーい!! なによ、自分が悪いくせに!
今度こそ藤助さんが怒ってくれたけど、でも、菊はつんとそっぽを向いて話を聞かない。本当にやなやつ!
ぶつけ所のない怒りを、どうすることもできなくて。だから私は心の中で思い切り叫んだ。
いーっだ!!