天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
そうだった。すっかり寝ぼけてたけど、二カ月ほど前、お母さんが病気で亡くなって。行方不明だったお父さんの情報を得た私は、そのお父さんがいるという家に行った。だけど待っていたのはお父さんじゃなくて、なぜか腹違いの──、半分だけ血の繋がった異母兄弟達だった。
こうして一日で七人もの異母だけど兄弟を得た私は他の兄弟達と一緒に、私にお父さんのことを教えてくれた天羽さんという人を養父に天正家に引き取られたのだった。
私はベッド脇のサイドテーブルに置いていた、お母さんの写真が入っている写真立てを手に取ると、ぎゅっと強く抱き締める。
「お母さん、私、一人でもがんばって生きていくからね」
だから見守っていてね、と私はお母さんの写真に向かって話しかけた。
……っと、いけない。もうこんな時間だ。時計を目にした私は写真立てをテーブルに戻すと、パジャマを脱いでいく。
私は制服に──、新しい、まだなんの香りにも染まっていない服に身を包むと、くるりと鏡の前で回ってみる。
新しいこの制服は、ジャンパースカートにボレロっていう上着を羽織ったタイプで。特にボレロを結んでいる、胸の前の赤いリボンがかわいくてお気に入りだ。
私はスカートをひるがえして部屋を出ると階段を下りて、今度は洗面所に向かう。顔を洗って髪をとかして。身支度を整えると、玄関脇に位置しているリビングへと入った。
こうして一日で七人もの異母だけど兄弟を得た私は他の兄弟達と一緒に、私にお父さんのことを教えてくれた天羽さんという人を養父に天正家に引き取られたのだった。
私はベッド脇のサイドテーブルに置いていた、お母さんの写真が入っている写真立てを手に取ると、ぎゅっと強く抱き締める。
「お母さん、私、一人でもがんばって生きていくからね」
だから見守っていてね、と私はお母さんの写真に向かって話しかけた。
……っと、いけない。もうこんな時間だ。時計を目にした私は写真立てをテーブルに戻すと、パジャマを脱いでいく。
私は制服に──、新しい、まだなんの香りにも染まっていない服に身を包むと、くるりと鏡の前で回ってみる。
新しいこの制服は、ジャンパースカートにボレロっていう上着を羽織ったタイプで。特にボレロを結んでいる、胸の前の赤いリボンがかわいくてお気に入りだ。
私はスカートをひるがえして部屋を出ると階段を下りて、今度は洗面所に向かう。顔を洗って髪をとかして。身支度を整えると、玄関脇に位置しているリビングへと入った。