天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
第4戦:長男が本当に貴公子だった件について
キーンコーンと四限の終わりを告げる鐘の音が鳴り、待ちに待った昼休み――。
私はウキウキ気分でお弁当のフタを開ける。あっ、私の大好きな卵焼きが入ってる。やったあ!
藤助兄さんが作る卵焼きは、ほんのり甘くて、私好みでおいしいの。それだけじゃない。唐揚げにミートボール、カボチャのサラダだって。どれもとってもおいしいの。
私がお弁当に舌鼓を打っていると、横から、
「道松先輩、本当にカッコイイ……!」
という声が聞こえてきた。
そちらに視線を向けると、女の子達が小さな円を作って、きゃあきゃあと騒いでいた。みんな、手には写真を持っている。
彼女達に話を聞くと、
「この間の射撃部の大会の時の、道松先輩の写真だよ。写真部から買ったの」
へえ。兄さんの写真なんて売ってるんだ。
みんなの話によると、部活の大会や学校行事なんかがある度に、兄さん達の隠し撮り写真が密売されているんだって。兄さん達には言わないでって口約束させられちゃった。
その代わり、私もその写真を見させてもらうけど、ふうん……。射撃をしている時の道松兄さんは、いつも以上に真剣な眼差しで。眉も瞳もキリッとしてて、みんながカッコイイって言うの、分かる気がする。
私が写真に見入っていると、
「牡丹ってば、ずるいよね。先輩のこと、毎日見られるんだもん」
「本当、いいよね。あーんなカッコイイお兄さん達と一つ屋根の下なんて」
うらやましい……! そんな声があちこちから飛び交い出す。
私はウキウキ気分でお弁当のフタを開ける。あっ、私の大好きな卵焼きが入ってる。やったあ!
藤助兄さんが作る卵焼きは、ほんのり甘くて、私好みでおいしいの。それだけじゃない。唐揚げにミートボール、カボチャのサラダだって。どれもとってもおいしいの。
私がお弁当に舌鼓を打っていると、横から、
「道松先輩、本当にカッコイイ……!」
という声が聞こえてきた。
そちらに視線を向けると、女の子達が小さな円を作って、きゃあきゃあと騒いでいた。みんな、手には写真を持っている。
彼女達に話を聞くと、
「この間の射撃部の大会の時の、道松先輩の写真だよ。写真部から買ったの」
へえ。兄さんの写真なんて売ってるんだ。
みんなの話によると、部活の大会や学校行事なんかがある度に、兄さん達の隠し撮り写真が密売されているんだって。兄さん達には言わないでって口約束させられちゃった。
その代わり、私もその写真を見させてもらうけど、ふうん……。射撃をしている時の道松兄さんは、いつも以上に真剣な眼差しで。眉も瞳もキリッとしてて、みんながカッコイイって言うの、分かる気がする。
私が写真に見入っていると、
「牡丹ってば、ずるいよね。先輩のこと、毎日見られるんだもん」
「本当、いいよね。あーんなカッコイイお兄さん達と一つ屋根の下なんて」
うらやましい……! そんな声があちこちから飛び交い出す。